無意識カッコ

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カッコの話。先日、昔の後輩から連絡があった。その連絡内容は、こんなものだった。

「俺、もしかしたらコミュ障かもしれません。新しい会社で同僚達とどう距離を縮めれば良いか分かりません。誰とでも仲良くなれると思っていたのですが・・・。」と少し落ち込んだ様子のものだった。

彼が、どの様に会社で立ち回っているのかは、手に取るように想像ができた。きっと、体裁を気にしている部分が、どこかでカッコをつけるという形で、外へ出てしまっている可能性がある。と言っても彼からすれば、これまでの経験値を引っさげて勤め始めた会社でもあるため「 経験者なんだ!」と言う自負もあるだろう。また、「経験者として、見合った働きをせねば!」という気負いの様なものもあるだろう。いたって健全かつ、自然な行為ではある。

持論ではあるが、カッコをつける事ができるのも成長である。しかし、カッコをつけるというのは、成長途中なのかもしれないと思う。6割から7割くらいは、理解や経験値が確かにある。そこに、足りない3割から4割を、どうにかこうにかカッコだけで体裁を良くしようとする。実際には、せいぜい穴埋めができて、1割くらいといったところだろう。格好をつける事で穴埋めに成功して、7割の力が出せれば、なかなかの戦闘力なのかもしれない。

しかし、カッコをつける事に味を占めると、要らぬ方向に進んでしまう事もある。個人的な経験や、周りにいたカッコさんから感じ得た末路はこうだ。

カッコをつける人ほど、努力や我慢をしなくなる。

カッコをつける人ほど、サボりがちになる。

カッコをつける人ほど、口だけになる。

要するに、学ばなくなる恐れがあるのだ。

カッコをつける人ほど、実力を見誤る。

カッコをつける人ほど、自己評価は鰻登り。

カッコをつける人ほど、心の声が聞こえなくなる。

本日、二度目の要するに、他人も自分もを含め見えにくくなる恐れがあるのだ。

カッコをつける人ほど、ルール通りになる。

カッコをつける人ほど、オリジナリティがなくなる。

カッコをつける人ほど、失敗を恐れる。

本日、最後の要するに、挑戦する力がなくなる恐れがあるのだ。

意味合いは違うがカッコをつけすぎて、もうこんな感じだ。

((((((((~_~;))))))))))

↑実態がどこにあるのか分からない・・・。笑

ここまで来ると、周りにいる人にも分かるもんだ。ちょっと変だぞと・・・。

決して、カッコをつけることが悪い訳ではないと、私は思う。一時的には、大半の人が経験する事であろう。また、カッコをつける人は、他によく見られたいという、向上心もあるはずだ。但し、過剰な使用や無意識にカッコをつけ始めると、成長に支障が出たり、大事な局面を棒に振ってしまったりと、もったいない事も多くなっていくだろう。仕事におけるドーピング騒ぎだ。

この様に「無意識カッコ」は、無意識ゆえにコントロール不能で厄介である!

私も上記のいくつかの症状が出た時期もあるし、今でも無意識に出る事もある。涙

だから、自分自信で気づくと治す様に心掛けている。私のオススメの治し方は、難しく考えず、「カッコをつけるというのは、自己防衛である。」と捉える様にしている。そして、本質を外してカッコをつけていれば、逆に進む様にしている。

さて、脱線が過ぎてしまったが、話を戻すと、連絡を受けた彼には、シンプルに、こう伝えた。

「人との距離を無理に縮めようとしたら、ダメだよ。普通にしたら良いよ。無理をしたら違和感が生まれる。」ただ、それだけを伝えた。少し心配だったが、いろいろと伝えて過ぎても、逆に混乱を招くとも思ったからだ。

それから、一週間が過ぎた頃、彼から連絡があった。

「無理しなくなって、楽になれたのか、少しずつ溶け込めてきています!ありがとうございます!」と。良い結果に至った様で、すごく良かった。

人との付き合いの中で、私たちは紛れもなく、今を生きている。生かされている。だから迷うのだ。悩むのだ。人の目を気にするのだ。だからと言ってカッコをつけず、時には考えるのやめてみよう。空気を吸うくらいに、自然にしてみよう。シンプルで良い。それで良い。それが良いって、言ってくれるかもしれない。

生きていく上で、大事な物事の前でカッコをつけても始まらない。始まったとしても続かない。

彼の相談を通して、改めてそんな風に考える良い機会になった。

少し話は逸れるが、スーパーソニックでは、こんな風な考え方を共有している。「人は、失敗して、怒られて、へこんで、失敗を認めて、謝罪ができて、改善をして、再び挑戦した時に、やっとこさ、ほんのちょっと成長ができる。」いわゆる、PDCAと違う点は、失敗と謝罪については、強調して自覚していきましょう!と言う事だ。

「そこに実は、生まれる。」と信じている。

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